途中出場の前田遼一がフリーとなり、得意のポストプレーで落とした先にいた中島翔哉のドリブルに誰も反応が出来ず。フリーで放たれたシュートはスローモーションのようにゴールキーパーの前でバウンドしオウンゴールへとつながりました。
鹿島アントラーズとしては悪夢のような失点でしたが、FC東京としては狙い通りだったと思います。
前回のレオシルバがやばい!ゼロックスカップで見た鹿島アントラーズの強さと弱さで記事にした鹿島の強い部分が鳴りを潜めて、弱さが出てしまった。そんな試合の感想と採点。
なお鹿島敗戦によりtotoはハズレ確定です(´・ω・`)
少しずつペースを握られた鹿島の問題
しっかりと守備のブロックを作り、ペドロジュニオールらの裏のスペースを消してきたFC東京に対して鹿島は小笠原・レオシルバがボールを動かし、遠藤と西、土居と山本が連携してサイドを攻略しようと執拗に攻撃を繰り返します。
それでも東京が安定した守りから永井・東の飛び出しと高萩のボランチからのスプリントで鹿島を混乱させ、反対にサイドを制圧。再三クロスを供給されるも植田・昌子のCBコンビが耐える展開に。
相手の術中にハマった鹿島アントラーズのサッカーにアクセントを加えられる選手。背番号10番が抜けた問題が露呈した試合だったと思います。
鹿島アントラーズの採点
GK クォンスンテ 採点5
失点の場面は難しいバウンドだったが、あまりにパンチングが弱かった。後半13分のピンチも飛び出しは良かったが大久保のシュートが枠に飛んでいれば危険だった。
もはや昨年の櫛引と同じ香りがしだす。
DF 山本 採点5
故障明けを実感させてしまう動き。後半途中からは右サイドに回り何度かクロスを供給したが、決定的な動きは見れなかった。
DF 植田 採点7
相変わらず強さでは負けない。大久保と侵入とサイドからのクロスに対して的確に反応していた。
DF 昌子 採点5.5
植田同様に相手の攻撃をギリギリでも耐えることが出来ていたが、少し安定を欠く場面も。もう少し落ち着いてセーフティにプレイすべきポジションの選手だと思う。
DF 西 採点5
連戦でコンディションが悪かったか。相手の攻撃に手を焼くシーンが多かった。途中交代もやむなしの出来だったが、遠藤との連携はそこまで悪くはなかった。
MF レオシルバ 採点6
ここ一番でファールを犯す場面もあり、安定感がゼロックスに比べて不足していた。
レオシルバのプレーが悪くなると鹿島は一気にトーンダウンするのは鹿島が抱える1つの問題・
MF 小笠原 採点7
相変わらずの安定感で、相変わらずの後半途中での交代。年令による体力の問題もあるのだろうがレオシルバより小笠原を下げたのは疑問。彼が抜けたあと、タスクをふる選手が不在となり攻撃が雑になった感はあった。
MF 土居 採点6
後半13分にペドロジュニオールへ出したパスは完璧。その他にも要所を抑えていた。
地味だけどチームを活性化させるいい動きを見せていたので、もう少しゴール前での仕事を増やして欲しい。
MF 遠藤 採点3
疲れていたのか存在感なし。
FW ペドロジュニオール 採点5
ポストプレーはうまいしチャンスを多く作り出すプレーは今までの鹿島に足りなかった部分。しかしこの日も決定的な場面で仕事が出来ない。
後半13分のシュートを決めなければエースではない。
FW 金崎 採点3
遠藤同様に疲れていたのか存在感なし。中盤を助ける守備は良かったが、その後の顔出しが少なかった。
DF 三竿 採点3
前回同様、結果を残せずオウンゴールを犯した。決して彼の問題ではなかったが、あそこでクリアというファインプレーがないと良いところが見当たらない。
MF 永木 採点5
小笠原と交代するいつものパターンで、いつも通り流れに乗り切れず。
単純にフレッシュな選手を入れる目的なのか、攻撃と守備のどちらかを強化したいのか投入目的がよくわからなかった。
FW 鈴木 採点3
中途半端なポジションに終始してしまったが、それはチームとしての問題。特にチャンスを作り出すことはなかった。
石井監督の葛藤は続く
攻撃のリズムを変えるであろうレアンドロのお披露目はなし。前回同様ボランチの整備が進んでおらず、柴崎の穴が埋まっていない。前線の金崎とペドロジュニオールがゴールを量産するタイプではないだけに、下手をすればズルズルいきそうか。
鈴木・赤崎の控えも同じタイプだけに豪華に見えた補強も、少し穴が多すぎるかも知れない。
守備の整備が進むFC東京
森重と丸山の日本代表コンビが中央を固め、さらに室屋と復帰した太田が揃うディフェンスラインは鹿島以上の安定感を見せており、4-2ー3-1の4-2-3の守備ブロックが大きく整備されていた。
後半は4-4-2と4-4-1-1の間の布陣とすることで鹿島を混乱に陥れることに成功。大型補強の選手たちが結果を残しており、侮れないチームであると再認識させつつ鹿島を見事に罠に引きずり込んだのは見事でした。
FC東京の採点
GK 林 採点8
新加入選手だが守備陣との連携はしっかりしていた。後半13分のシュートをビッグセーブ。
クロスにも持ち前の高さを披露し、正守護神として安定したプレーを90分続けることで権田の必要性を払拭した。
DF 太田 採点6
海外で身体が強くなったことと寄せが早くなったのは印象的。クロスは相手に弾き返されていたが攻守で存在感をだしていた。
DF 森重 採点6
目立つプレーはなかったが地味に相手フォワードを押さえ込んでいた。
DF 丸山 採点65
森重同様、派手さはないが安定していた。ペドロジュニオールにほとんど仕事をさせていなかった。
DF 室屋 採点6.5
積極的に中に入ってきてシュートや縦パスを供給したり、ドリブルで仕掛けるなど流れを引き寄せるプレーを見せた。やや土居の動きに混乱する場面もあったが、崩されるシーンは数えるほど。
ただ日本代表で見たいと思わせるには少し足りない。
MF 橋本 採点7
粘り強く鹿島の攻撃に蓋をし続けた。運動量も90分落ちることなくレオシルバを粘り強くケアしながらバランスを保ち続けた。影のMVP。
MF 高萩 採点6.5
広島ではトップ下(シャドー)の選手だったがボランチで登場。軽いボールさばきでリズムを作り続けながら、時折見せる飛び出しで鹿島を混乱させていた。彼の出来栄えによって遠藤らの動きの質を貶めていたのは大きかったか。
MF 河野 採点6
ドリブラーだが終始バランスをとることに意識を集中させており、対戦相手の土居と地味対決となったが気の利いたプレーは互角だったか。絶対的ではないが、スタメンでいると助かる選手。
MF 東 採点5
採点が難しいが決定的な場面で仕事が出来なかったのはマイナス。河野同様に地味なプレーをしていたが、トップ下で出る以上、もっと決定的な仕事をして欲しい。
MF 永井 採点7
やっぱり速い!名古屋時代とは違う使われ方だがオリンピック代表の時を思い出させるスプリントで攻守に活躍。決勝点に繋がるオウンゴールを誘発させた場面も長い距離を走っていた証拠。
裏に抜け出す場面はなかったが、大久保ではなく前田がトップに入った後半に動きの質を変えていたのはチームとして新しいオプションを手に入れた。
FW 大久保 採点3
後半13分にフリーでふかす。見せ場はこれだけだった。
チームとしては前田との変速2トップの方が期待させる動きを見せていたので、今後の活躍によってはベンチスタートを予感させる結果となった。
MF 中島 採点6
決勝点に繋がるシュートは積極性の結果。少しボールを持ちすぎていたのと先制点の後の時間の使い方はまだまだ勉強中か。前田や大久保が老獪に時間稼ぎをしていたのを学んで欲しい。
短い距離のドリブルは鹿島の守備も崩せていた。
FW 前田 採点7.5
ポストプレーの旨さは変わらず健在、相手を背負いながら裏に抜け出したり下がってボールを捌いたりと短い時間で鹿島の守備を混乱させていた。決勝点に繋がる場面も起点となり、ジョーカーとして十分すぎる結果を残した。
先制後の時間の使い方や守備の戻り方は憎たらしいほどだった。
ベンチワークの妙
交代カードは2枚。中島と前田のみだったが、それで良しと判断したのは守備ブロックの安定から。徳永を入れて守備の強化、田邉を入れて中盤の運動量を強化など選択肢もあったが見守ることが出来たのは采配に余裕があったから。
鹿島が早い段階で決まった交代を見せたのとは対照的な印象を抱かせた。今年は東京旋風が吹き荒れるかもと期待したい。
それでも優勝候補は・・・鹿島?
前回のレオシルバがやばい!ゼロックスカップで見た鹿島アントラーズの強さと弱さでは、それでも優勝候補と言い切りましたが、石井監督の采配とレアンドロが機能しないとちょっとどうかなという感じはします。
特にペドロジュニオールと金崎の得点力と、ボランチの渋滞しているのに不足した状況は、これからの課題。ここをクリアするのは・・・
レアンドロの活躍。
柴崎の復帰。
この2点が揃えば問題ないのですが、どうなるのでしょうか。
-
-
鹿島アントラーズの選手補強に世界への本気を感じる
鹿島アントラーズが本気で世界を狙っている。 2016年の年末に開催されたクラブワールドカップ(旧トヨタカップ)では準決勝で南米王者のナシオナルを3-0で撃破し、勢いそのままに挑んだ決勝戦においては、あ ...