なぜ、この人が出世したのか。
新入社員でさえも疑問に思うほどの「無能な上司」はどこの会社にも存在します。
これは大手であればあるほど割合が増える気がしますが、部下としては上司が無能だと困ったものです。
仕事を進めるにあたって相談しても前に進まない。
以前に相談、報告した内容をすっかり忘れている。
業務の進捗や状況が理解出来ない。
こんな上司に何を言っても無駄だと判断して淡々と仕事をしていると「なんで報告しないんだ!」と言い出したりするので、困ったもの。
適当な距離をとって煙に巻きながら仕事がしたいと思っても上手くいくケースは少なかったりします。
むしろ無能な上司には報告、相談をいっぱいしてあげると円滑に回ることが多くなるので、離れたい気持ちを抑えて報告してみましょう。
もちろん報告にもコツがあります。
口頭での報告、相談は絶対ダメ
無能上司は部下の報告や相談を忘れたり、一部改変して記憶したり、正しく覚えてくれることはありません。
これは優秀な上司も同じで、そもそも100%理解していないことを記憶するのは不可能だからです。
優秀か無能かの違いは要点を覚えているか、または要点を思い出せるかの二点が大きいところですが、それなら要点をまとめたレジュメを渡して説明すると良いでしょう。
説明が終わったら上司の目の前で自分のレジュメに日付と時間を入れて、返答をメモすると不毛な水掛け論は回避できます。
レジュメといっても大袈裟なものは不要で、要点と結論を走り書きした程度で十分です。
これで上司が忘れていても自分のレジュメを見せて、いつどのように返答を貰ったか説明する事が可能となります。
理不尽には相談を繰り返す
無能な上司は仕事のスキームや問題点などを把握していないので、よく分からない指示や物理的、または時間的に不可能に近い指示をしたりします。
ここで出来ませんなどと答えると話がこじれてしまい、いかに理由を伝えても聞く耳を持たなくなってしまいます。
聞く耳を持たない上司には何を言っても意味はありません。まさに馬の耳に念仏とはこのことですね。
こうした理不尽な指示に対しての正論は「上司に逆らうやつ」というレッテルを貼られることになりかねません。
そうならないためにも、まずは考えるフリが有効です。
上司の指示を理解しようとする姿勢。
そこから仕事の段取りを考えてみる姿勢。
なんとかできるか検討する姿勢。
とにかく上司の指示に従おうとする「姿勢」だけ見せるのが大事。
その上で上司に相談すると、すんなり聞き入れてくれたりします。
この際も出来ない正論は不要で、あくまでも現状からどうすれば出来るのか分からないから教えて欲しいという相談の姿勢を貫く事です。
それに対して自分で考えろ!と言われるかも知れませんが、その時は少し時間を置いて先のレジュメを用意して、どうすれば出来るか教えて欲しいという姿勢を見せると良いでしょう。
無能な上司自身に無能な上司の指示を考えもらうのです。
これで答えが出なければ自然と上司から無理な指示が減っていくでしょう。
ただ「こうすれば出来るだろ」と的確な指示が出てきた場合は、無能だと思っていた考えを改めなければいけないかも知れません。
その場合、無能な上司ではなく嫌いな上司なことが多いです。
嫌いな上司と上手く付き合う方法は、また別な機会で紹介します。
報告は結論の結論から
結論、要点、内容から報告するなんて当たり前のことじゃないか。
そう言われるかも知れませんが、理解のよくない上司に対して報告する結論は「良い話か悪い話なのか」と「結果なのか経過なのか」を話すと上手く行きます。
これも優秀な上司にも有効で、その結論の方向性を予め示しておくことで「どういう話なのか判断する」負担を減らし、報告に集中しやすくなります。
特に無能な上司ほど「これはどういう話なのか」に意識を費やしてしまい中身を疎かにしてしまう傾向があるので、最初に結論の結論を話ましょう。
先方からの見積もり依頼をとってきたので報告と相談です。
書類にミスがありましたので対処法について相談です。
こうして報告をすると相手もすんなり聞いてくれるでしょう。
報告書類がなくともレジュメは用意して下さい。
報告はこまめに
無能な上司はアドバイスが有益ではなく、むしろ後ろ向きな意見を多く述べてきます。
失敗したら責任を取れるのか。
に代表されるような「上手くいかないことを前提とした意見」を述べてくるので、報告すればするほどモチベーションを下げられることもあるでしょう。
そうして報告するのが億劫になって避けていると悪循環の始まりなので、むしろ細かく報告しましょう。
後ろ向きな意見には反対に質問します。
どうすれば失敗を避けられるでしょうか。
こう聞いておけば「勝手なことをして失敗した部下」と思われることを回避できます。
無能な上司にしっかり考えてもらい責任を回避しつつ、さらにアドバイスを引き出す。
これが出来れば優秀な部下と言えるでしょう。
優秀な部下は無能な上司を「上手く利用」することが出来ます。