年末の風物詩となった格闘技RIZIN。
注目されていたのは神童としてRIZINのエースである那須川天心と、ボクシングで50戦無敗のスーパースターであるメイウェザーの一戦でした。
普通に考えるとキックボクシング(または総合)のルールだと那須川天心が優位になりますが、ボクシングのルールであればメイウェザーが優位なのは紛れもなく、そもそも真剣勝負なのかエキシビジョンなのか不透明なまま当日を迎え、結果はご存知の通り。
赤子の手をひねるようにメイウェザーの勝利となりましたが、同時にRIZINは終わったと感じた瞬間でもありました。
那須川とメイウェザーの問題点
すでにネットでも話題になっていますが体格差は酷かったですね。
メイウェザーは66.7Kgでウェルター級の上限いっぱいで、那須川天心は62.1Kgとスーパーライト級の上限にも満たない程度。
当然、計量後に食事などをとることから体重はさらに増加するのですが、絞ったメイウェザーは増加しても太めに仕上げている那須川天心はこれ以上の増加は見込めません。
試合は10Kg近くの差がある状態で行われています。
記憶に新しいボクシングの元王者である山中慎介とネリとの対戦において、前日軽量53.3Kgの山中と体重超過で55.8Kg(当日軽量は57.5Kg)のネリの試合は体重差を露骨に示す内容で2回TKO負け。
プロボクサー同士による、この体重差でも圧倒的な差が出るのですから那須川天心に勝ち目のない試合だったことは間違いないでしょう。
本人はスリップだと思っていたけど立ち上がれないという状況は、体格差以外に原因はありません。
エキシビジョンの位置付け
この試合は本気で挑むものなのか、それとも魅せるための試合だったのか。
見ている側にとっても、ここが全くもって不透明でした。
前試合となった堀口恭司とダリオン・コールドウェルとの対戦にスペシャルゲストとして登場したGackt(ガクト)はコメントの中で「この試合がメインイベントみたいなもの」と述べており、那須川天心の試合をイベントだと見ていたようです。
メイウェザーは試合開始から笑顔を見せており恐らく本人もエキシビジョンのつもりだったのでないでしょうか。
そこを本気の那須川天心が1発きれいにあてたから一気に仕留めにきた。
そんな感じがするモヤモヤした試合の進め方でした。
格闘技のスタイルは重要
やっぱり那須川天心はキックボクシングのルールでこそ輝く選手です。
当初は総合格闘技を行っていましたが、RENAの敗戦からMMA(総合)ルールでは試合を行っていません。
キックボクシングの選手はキックの動きをしますし、ボクシングとは別物です。
体格差以前に別のルールで戦わせるのは無理があるでしょう。
そういう意味では那須川天心が、ここ最近対戦した相手は総合格闘家であり、それをキックボクシングのルールで倒しているのが現状です。
堀口恭司との対戦もMMAのルールであれば結果は異なっていたはずで、このあたりを運営は理解するべきです。
ジョシカクが終わった日でもあった
この日は女子格闘技のアイドルスターだったRENAを破った浅倉カンナが登場するも浜崎朱加に腕ひしぎ逆十字にて1本負け。
偶然にも那須川天心と浅倉カンナのカップルがともに負けた日になりましたが、浅倉カンナが文字通り手も足も出ずに敗戦する姿を見ると、ここまでやってきた女子格闘技とはなんだったのかとなります。
もちろん浜崎朱加が強いことも理解していましたが、打撃のみのRENAに対して女子総合の女王のように持ち上げて持ち上げ続けていたにも関わらず、そのRENAが負けると浅倉カンナを持ち上げようとして浜崎に負ける。
もう運営は持ち上げる選手がいない状態ですよね。
慌てて美人格闘家をリングに上げていますが、もう何がしたいのかさっぱりでジョシカクの盛り上がりは完全に消えたのではないでしょうか。
今回、浜崎朱加があっさり勝ったようにRIZIN以外のリングに本格派の総合選手が多く存在しています。
山本美憂?
アイドルグループの仮面女子の川村虹花?
うーーーん。
あと杉山しずかが試合を止められたことに対してレフェリーにクレームをつけていましたけど、あれだけきれいにアゴを撃ち抜かれて腰から倒れたら、たとえダメージがなかったとしても止められて当然です。
RIZINは終わったのか
現在RIZINが持ち得るカードは堀口恭司と那須川天心しかありません。
山本“KID”徳郁の関連する山本美憂、山本アーセン。
野沢直子の娘である野沢真珠。
レジェンドだった川尻達也や五味隆典。
知名度のある選手は多く抱えているのですが、まだまだこれからの団体でもあります。
そんな中で那須川天心とメイウェザーのマッチメイクは愚の骨頂であり、今後どのように起用してもケチがついてしまいます。
K-1の絶対王者である武尊とのマッチメイク。
これが実現でもしない限り、那須川天心の復活は難しい状況になったかも知れません。
選手の無駄遣い、その場限りの話題性。
平成最後の年末はRIZINが終わった日でもあったと思います。