久しぶりに面白いと思える漫画だった「雪人 YUKITO」を一気読みした感想を、ネタバレを必要最低限に抑えて書いてみました。
多くの人に読んでほしい。
そう思えるほど、自分の中のおすすめ名作漫画に仲間入りした作品。
主人公の雪人の萌えるも良し、宮本にも絵えるも良し。
雪人は登場人物全員がキャラ立ちまくりで感情移入が止まりません。
ネット上に広告を多数出している作品にしては珍しく期待値を超えてくれる漫画です。
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Amazonのレビューを見ても称賛がかなり多いのは、おすすめ漫画な証拠です。
雪人 YUKITOのあらすじ
新宿に突然現れた謎の青年、その目的は!?
「田代組を知らないか…?」。10年前に潰れた暴力団のことを聞き回る謎めいた青年の雪人。朴訥な秋田弁を話す田舎者の彼は、一体何を企んでいるのか。雪人の登場が欲望の街・新宿に波乱を巻き起こす…!
メインストーリーとなるのは田代組が関与したと思われる、主人公の父親が殺害された真相について、です。
この真相に向けて張り巡らされた伏線が少しずつ解き明かされるのですが、全5巻という決して多くない巻数の中に凝縮されることになります。
原作は作家、大沢在昌の北の狩人ですが漫画化するにあたりキャラ設定などを思い切って変更しているので、原作を読んだ方も楽しめますし、反対に漫画を先に読んだ方も原作を楽しむ事ができます。
原作はこちら
雪人 YUKITOの感想
1巻を読み終えたまで「これは面白くなる」と確信、正確には宮本というキャラの仕上がりを見ての確信です。
話のテンポ、読ませ方、キャラの良さ、絵柄。
どれをとっても良く出来ています。
かなり伏線を張り巡らせている中で全5巻にまとめていることで(それも不完全燃焼となることなく)間延びすることもなく、濃厚なストーリー展開となっています。
その為、次はどうなるのか、次は、次は、と続きが気になってしまい、思わず一気読みしてしまったほどです。
おすすめポイント
ストーリーのテンポが良い
登場人物が魅力的
絵柄が物語にぴったり
この他にもポイントはありますが、雪人が面白く感じられた大きな要素はこの3つが大きいと思います。
ストーリーのテンポが良い
漫画「雪人 YUKITO」はコミック全5巻です。
原作となる大沢在昌の小説「北の狩人」が上下巻であることを考えると、かなり物語を取捨選択を行って絞り込みが必要となります。
漫画化にあたりラスボス的存在である近松の人物像や、鹿角の女将である玉緒を存在など大きな改変が行われた登場人物も存在しますが、これにより物語がよりわかりやすくなっています。


登場人物が魅力的
何度も書いていますが主人公の雪人はもちろんながら宮本、そして刑事の佐江は良い味を出しています。
ヒロインとなった杏もエリと離れて単体で行動するようになってからは魅力的でしたね。
個人的には用意周到な瀬尾が好きでした。
なぜに礼服の予備を持っているのか。良い味出しすぎです。
絵柄がストーリーにぴったり
Amazonから試し読みが可能なので見て頂けたらと思いますが、女性が描く青年誌の絵柄が雪人の物語にぴったりハマっています。
この絵柄だから雪人は純朴な好青年ど真ん中ですし、宮本はハードボイルド路線。
そして佐江は人情派とといったところでしょうか。
近松だけロシア人よりに描かれているのですが、これはロシアのマフィアとの関係を関連付ける布石だったのでしょうか。


雪人 YUKITOの気になる点
そんな名作漫画である雪人ですが、どうしても気になる点がいくつかあります。
ここまで何度も書いてきた近松という人物と、その他大勢。
気になるポイント
近松の宮本への思いが迷走
鴨下のアゴ問題
呉林呉林呉林!
本作の問題児である近松は大いに語りたい。
近松の宮本への思いが迷走
雪人のあらすじやネタバレを少しするなら、本作の黒幕は近松です。これは最初からわかりきった展開なので、大したサプライズではありません。
問題なのは近松の宮本に対する対応。
むしろ、その想い(重いかも)が熱すぎるというかなんというか、口を開くたびに言っていることが異なるので、どれが本当なのかパニックになってしまいます。
終始、不安定なんですよね。
またロシアンマフィアとの関連性を匂わせるために、とってもロシア人ぽい見た目で描かれているのは少し可哀想かも。


鴨下のアゴ問題
一方で1巻の序盤で登場してくる鴨下ですが、少しネタバレするとある人物が整形して成りすましています。
しかし、あまりにも特徴的な三角なあごは全くいじっていないという謎の整形を行っており、主人公の雪人にもひと目で見破られてしまいます。
まさかのあごが特徴的すぎて変装がバレるというコナンでもやらないようなバレ方を真面目にやってくれるのが鴨下という人物。
呉林呉林呉林!
情緒が不安定な近松。
あご丸出しの鴨下。
この2人に次ぐ問題児が呉林官房監察官。
この人の問題点は近松と同じく嘘を付くのだけどベクトルがやばいということ。
無駄に新島を向かわせて脅しをかけるなど、誰かしらが死んでいてもおかしくなかったでしょう。
そして裏ボス新島を、まるでおもちゃのように扱うという素でやばい性格をしているのに無自覚という、何気に近松よりイカれたキャラクターだと言えます。
近松、鴨下、呉林の中で誰が狂っているかと言えばぶっちぎりで呉林を推します。
雪人 YUKITOの感想まとめ
少し気になる点を書いてみましたが、それも2回3回と読み直していく中で気になったことであり、雪人は間違いなく名作としておすすめ出来ます。
スピーディーで濃厚なサスペンスを味わえる漫画「雪人 YUKITO」は、ここ最近のベストヒットでなので少しでも多くの方に読んで貰えたら嬉しいですね。
それにしても、この漫画の主人公は雪人ではなく宮本ではないかと思うほどキャラが立ちまくりでしたね。
女なら間違いなく惚れていたと思います。